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ウォーカープラスが、レタスが約1週間で収穫できるとされる植物工場の仕組みを写真付きで紹介しました。植物工場とは、室内で光、温度、湿度、二酸化炭素、養液を人の手で細かく調整し、天候に左右されずに野菜を育てる施設のことです。土を使わず、養液だけで根を育てる水耕栽培が基本になります。農薬をほとんど使わずに済み、洗わずに食べられる清潔な野菜として店頭でも見かけるようになりました。記事は、身近な食卓の野菜がどんな場所でどう育つのかを、一般の読者向けにやさしく伝える内容です。ここでは、その仕組みの裏にある経済性と、事業としての現実を考えます。

引用元: <画像1 / 5>レタスが1週間で収穫できる「植物工場」って何?(ウォーカープラス)

分析・見解

1週間という数字が示す、収穫までの本当の工程

レタスが1週間で収穫できると聞くと、種をまいて7日で出荷できる印象を受けます。しかし実際の工程は、いくつかの段階に分かれています。まず種をスポンジ状の培地に植え、発芽させます。次に苗の段階で十数日を過ごし、その後に広い棚へ植え替えて、最終的な生育期間が数日から1週間ほどになります。

報じられた1週間は、この最後の仕上げ期間を指すと考えるのが自然です。通算では種から出荷までおおむね30日から40日かかります。畑で育てる露地栽培のレタスが60日前後かかることを考えると、それでも大幅な短縮です。

光と水と温度を握ることで、天候リスクが消える

植物工場の強みは、育つ条件を人が決められる点にあります。完全人工光型(=太陽光を使わず照明だけで育てる方式)では、植物の成長に必要な赤と青の光を、LED(=省電力の発光素子)で必要な量だけ当てます。昼夜の長さも自由に変えられるため、植物にとって最も成長しやすい時間割を作れます。

農業の最大の不確実性は天気です。猛暑、長雨、台風が来ても、工場の中の生産量は変わりません。出荷量を年間を通じて予測できることは、スーパーや外食チェーンとの契約で大きな武器になります。価格の乱高下にさらされる露地野菜と、定額で納める工場野菜では、取引の性格がまるで違います。

電気代が利益を左右する、見えにくいコスト構造

一方で、この方式には大きな弱点があります。電気代です。人工光型の工場では、生産コストの2割から3割を電力が占めるといわれます。レタス1株を育てるために使う電力は、天日で育つ畑とは比べものになりません。

2022年以降の電気料金の高騰では、国内でも撤退や縮小に追い込まれた事業者が出ました。過去には大手企業が参入と撤退を繰り返し、黒字化できた工場は一部に限られた時期もあります。1週間で収穫できるという華やかな数字の裏側には、毎月の電気料金という重い固定費が隠れています。

儲かる工場は、レタスの外に収益源を持っている

ここで独自の視点を一つ挙げます。成功している事業者は、レタスを売るだけで稼いでいません。いちごやハーブなど単価の高い作物へ広げる、工場そのものの設計や運営ノウハウを他社に販売する、加工食品メーカーと組んで安定供給の契約を結ぶ、といった形で収益を分散しています。

つまり植物工場は、農業というよりも製造業に近い事業です。歩留まり(=良品の割合)を上げ、設備を高い稼働率で回し、単価の高い商品を選ぶ。この工場経営の発想を持てるかが、生き残りを分けます。

ビジネスへの影響

参入前に確認すべきは、電力の調達条件と販路

これから参入や投資を考える企業は、まず電気の調達条件を確認してください。電力会社との契約形態、再生可能エネルギーの活用、夜間電力の活用などで、年間の運営コストは大きく変わります。同時に、作る前に売り先を決めておくことが重要です。コンビニ向けのサラダ用、外食向けの業務用、病院や介護施設向けなど、買い手が決まっていれば価格交渉で有利になります。

小さく始めて、数字を見ながら広げる進め方

最初から大規模な工場を建てるのは危険です。数百万円規模の小型装置や、既存の空き倉庫を使った小規模な実証から始め、1株あたりの原価、廃棄率、売価を実測してください。レタスで採算の目処が立ってから、ハーブや高付加価値の作物へ広げる順序が安全です。

農業以外の企業にも、使える視点がある

植物工場の考え方は、農業以外にも応用できます。環境を数値で管理し、結果を再現できる形にする発想は、食品加工や医薬原料の栽培にも通じます。空き店舗や使われていない工場跡地を転用すれば、都市の近くで新鮮な野菜を届けられます。物流費を減らせる点は、地方の企業にとっても見逃せない利点です。

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